富山は本当に閉鎖的なのか?

個人的に縁がある富山のことがニュースになっていた。

 

富山生まれ「極力採りません」「閉鎖的な考え方が強いです」 本間不二越会長、会見で持論 (北日本新聞) - Yahoo!ニュース

 

公の場で企業のリーダーが発言する内容としては問題があるので、批判が相次いでいる。

 

 一方で富山県は”閉鎖的”と聞いて、まぁ実際のところ、もしかしたらそういうところもあるのかもしれない、なんて思っていたら、

 

「富山生まれの人は閉鎖的だから採用しない」発言に、地元民から「わかる」の声が挙がりカオス - Togetterまとめ

 

そう思っている富山県民も少なくない様子(笑)

 

 まぁ地方にいけば誰でもその地元に対しては”閉鎖的”と感じるようなところはあるし、他の県と簡単に比較にもできない。

逆に”開放的”なところってどんなところなんだろう?

 

 全国的に”閉鎖的”なんて言われたら、広報的にたまらんだろうけど、富山の場合、こんな風にニュースにとりあげられることもあまりないので、この際、逆に利用してしまえば?と思う。これニンジャ的発想。

 

 ここ最近は地方創生、クールジャパン、”おもてなし”など、金欲しさに(私も欲しい)ウェルカムウェルカムな感じだけど、適度な節度の”閉鎖的”な空気を売りにするのはどうだろうか。

ツンデレ感を出し、最初は少し冷たく突き放すが、一度関係を築ければ口も固く情に厚い、のよう感じもいいかもしれない。

 

 なんとなく”閉鎖的”というのも得体が知れず、謎めいていてニンジャ的にナイスなんじゃないのかと思えてきた。

 

ちなみに江戸時代、本当に閉鎖的だったことで有名な薩摩藩に富山の薬売りは入り込んで商売をしていた。

薩摩藩がどれだけで閉鎖的だったかといえば、他国のものが領内に入ったら二度と出てくることはないという意味の”薩摩飛脚”なんて言葉が生まれるくらいなのだ。

ほかに薩摩に入った聞いたことがあるのは間宮林蔵くらいだ(これは商売でなく潜入)。

 

 当時富山は陸では全国に薬を売り、海では北海道から薩摩まで昆布などを売り、津々浦々で商売をしていた。そのおかげで通信技術のない時代にほかにはない情報網も持っていた。

参考までだが、物腰の柔らかい富山弁(アウトレイジには決して出てこない)による噂話の伝達速度にも恐ろしいものがある。親には内緒にしている忍者デリバリーについても、富山の親戚一同には筒抜けだった。普段よけいなことなど話さない静かな人たちなのに。

 

富山の薬売りは、幕末には倒幕をめざす薩摩のために危険をかえりみず、忍びのような働きさえ行った。

商売ありきとはいえ、情に厚いところもあったのだ。

じつは富山は立山山岳信仰上杉謙信・軒猿との関わりなど、猛烈に忍者の匂いがする土地でもある。

甲賀伊賀のように表にでていないところが尚のこと怪しい。

忍者ハットリくんの作者藤子不二雄先生が富山出身(お二人とも)なのも、どこかでなにかのつながりがあるに違いないのだ。

 

閑話休題

 

 本当のところ、他県の人が閉鎖的に感じる要素は多いのかもしれない。

もしかしたら教育県といわれるくらいの真面目さが仇になっているかもしれない。

富山は夏は高温多湿、冬は曇天雪ばかり太陽はあまり拝めない土地だ。

県民性とひとくくりにはできないかもしれないが、気候風土によって生まれるその土地のムードもあるだろう。

若者が出て行き、他県の人が寄り付かず、もしとうの県民自身も生きづらいと思うのなら、ぜひ変わっていってもらいたいものだが、なにせ閉鎖的で保守的なんだから難しいだろうな。

 

ちょっと古い記事だけど、富山出身の官僚は多いらしい。なんと全国3位。

なぜ、富山は官僚・社長輩出率がともに高いのか? | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

今年観たテレビ番組でも3位だったから、やはり県民性の現れなのだろう。

真面目なのはおおいに結構だが、我が国の官僚の多くが閉鎖的な傾向にあるというのなら、ちょっと考えものだ。

 

閉鎖的かどうかは是非、富山には足を運んでみてほしい。

魚は間違いなく美味しいよ。